ワイヤーロープ及び吊チェーンの点検・保守
(1)吊チェーンの点検・保守
ワイヤーロープの心綱には、さび止めと、素線間の摩擦を防ぐため
油を含ませて有り、ストランドやロープ表面にも塗油してますが、
長時間使用しているうちに油がしぼり出されて少なくなり、素線の磨耗が増加するので、
適宜、油を塗布し補給する必要があります。
また、巻上用または起伏用のワイヤーロープは、繰り返し曲げを受け
磨耗や断線が起こりやすくなります。
この為、曲げを受ける部分や、ロープ端部等に重点を置き点検をし、
次に挙げる様な状態を発見した時は、直ちに交換して下さい。
- ワイヤーロープ1より(ストランドが6つの長さ)の間において素線の数の10%以上の素線が断線しているもの。
- 直径の減少が公称径の7%を超えるもの。
- キンクしたもの。(キンクとは曲がりぐせやつぶれのこと)
- 著しい型崩れまたは、著しい腐食があるもの。
なお、ワイヤーロープを交換するときは、メーカー指定のものをご使用下さい。
また、素線の断線や直径の減少が上記の値以内であっても早めに交換することが望ましく、
事故を未然に防ぐ事が出来ると考えられます。
(2)吊チェーンの点検・保守
吊チェーンは、定期的に点検を行い、次に挙げる様な状態を発見した時は直ちに交換して下さい。
- 伸びが、製造した時の長さの5%を超えるもの。
- リンクの断面の直径の減少が、製造した時の断面の直径の10%を超えるもの。
- 亀裂があるもの。
チェーンを交換する時はメーカー指定のものを使用し、継ぎ足しは危険なので行わない様にして下さい。
以上、正しく理解し、安全に過ごしましょう!
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